ロボット工学はどこまで進化した?
これは友人の身に起こった話です。
彼は配達サービスを利用して、ランチを注文しました。
そのサービスは配達ロボットで料理を届けてくれるものなのですが…
どうやらトラブルが発生したようで、家にロボットが到着しません。
そこで彼は注文した料理を探すため、
配達元のレストランまで向かうことにしました。
半分ほど歩いた時、彼は「それ」を見つけました。
膝くらい高さの配達ロボットが横断歩道の端で立ち往生しているのです。
なぜかそのロボットは道路を渡ることができません。
彼がその時撮影したものが次の動画です。
動画を再生できないために事の顛末をお話すると、
そのロボットにある表示がされていたのです。
「私の代わりに横断歩道のボタンを押してくれませんか?」
さて、その小さなロボットが立ち往生している間にも、
世界のロボット産業は全速力で前進し続けました。
現在、市場規模は約650億ドル。
2035年までに3,750億ドル近くに達すると予測されています。
出所: ResearchAndMarkets.com
つまり、AIを除いたどのテクノロジー分野よりも急速に成長するという事です。
そして、その大部分を占めるのが、配達ロボットのようなサービス分野。
アナリストの中には、この分野が年間20%以上成長する可能性があると予測する人もいます。
とはいえ、日常生活に導入されるようなロボットにはまだ、
最初にご紹介したような「ぎこちなさ」が残っています。
では最先端のロボット工学はどこまで進んでいるのでしょうか?
ロボット工学の最先端
カリフォルニア工科大学の研究チームは
歩行・運転、そして背中からドローンを展開できる人型ロボットを発表しました。
出所: カリフォルニア工科大学
地上ユニットはバックパックのようなドローンを搭載。
これを発射して前方を偵察します。
ドローンはリアルタイムデータを人型ロボットの搭載コンピューターに送信することで、飛行経路をリアルタイムに調整することが可能になっています。
「着陸」時には、ドローンは再び地上ユニットに合流することになります。
このように、1台のロボットでチーム全体の仕事をこなすことが可能で、
特に軍事面で様々な用途に使える可能性を秘めています。
また、スカイボーン・テクノロジーズという企業が、武装したロボットを開発しています。
出所: スカイボーン・テクノロジーズ
これは、コントローラー操作によって操作が可能。
見ての通り、グレネードランチャーやショットガンを装備しています。
ロボットの進化は軍事分野だけではありません。
消費者向け分野も同様です。
中国のスマートフォンメーカー、Honor(オナー)は最近、
部屋の中を動き回ってユーザーの後をついて回る「ロボットフォン」を発表。
出所:HONOR
自動運転車に搭載されているのと同じ空間センサーを搭載し、音声やジェスチャーに反応します。
私の家にも空間センサーを搭載したカメラが何十台と家の外と中を見守ってくれています。
私たちが動くたびにカメラが追ってくれて監視してくれています。
この動きは今後、個人用デバイスとロボットの融合がさらに進む兆しと言えます。
一方、韓国の研究チームは、自重の4,000倍を持ち上げることができる「人工筋肉」を開発しました。
この素材は、熱活性化複合材料を用いることで、数ミリ秒で柔らかい状態から硬い状態へと変化し、強度と柔軟性を両立しています。
その結果、この素材1グラムで5キログラムの重量を支えることができるのです。
私たちの腕で例えるなら、車を頭上に持ち上げることができるパワーということです。
そして、この人工筋肉が重要である理由は、パワーだけではありません。
それは、人工筋肉を用いれば、ロボットを機械式のクレーンではなく、生き物のように繊細に動かすことが可能になる点です。
つまり、高度な義肢の改良に役立つだけでなく、
将来のロボットヘルパーが機械ではなく人間に近い動作が可能になるということです。
さて、最先端技術と、冒頭でご紹介した配達ロボットの不器用さにはギャップを感じてしまうかもしれません。
しかし、配達ロボットのような分野も徐々に進化しています。
ビジネス・インサイダーによれば現在、
米国の78以上の大学が様々な企業の食品配達ロボットを導入しています。
例えばスターシップ社だけでも、キャンパス全体で 1,000 万回を超える配達を記録。
大学は、配達ロボットにとって完璧な試験場だと言えるでしょう。
配達ロボットが実用段階で直面するのは現実世界の混沌とした環境です。
そして、ロボットがそうした環境を安全に進む方法を学習できる「管理された」環境こそ、まさに大学のキャンパスなのです。
学生たちは、歩行者の間を縫うように走り、充電ステーションに並ぶロボットに慣れつつあります。
また、配達ロボットの中には、階段を登ったり、工事現場を通るルートを見つけたりできるものもあります。
そして、これらの画期的な技術は、動き、感知、筋力などあらゆる面において…
まさに日常的なロボットが私たちの世界をよりうまく移動できるようにするシステムなのです。
友人から送られてきた動画は、正直冗談かとも思えるような内容でした。笑’
しかし、ロボット工学は真剣なビジネスです。
製造業、軍事、そして国家の競争力の未来に大きな影響を与えます。
そして、米国は中国に遅れをとっているのが現実です。日本はもっとです。
中国の多くの工場では、AIやロボットが稼働しています。
人間の介在はほとんど…または全くないため、照明すらついていません。
そして、今日中国が雇用しているロボットの数は、まさに驚異的です。
2023年には、中国のロボット密度は労働者1万人あたり470台に達し、韓国を除く西側諸国のどの国よりも高くなりました。
昨年だけで、インドでは約30万台の産業用ロボットが導入されました。
これは米国の導入数のほぼ10倍に相当します。
そして、中国のロボットサプライチェーンは国内にあるため、米国よりも迅速かつ安価に規模を拡大が可能です。
もちろん、米国ではロボット工学が驚異的な進歩を遂げています。
そして私はこの業界に楽観的です。
とはいえ、国家間で競争したいのであれば、もっと早く行動しなければなりません。
中国ではロボット工学を国家インフラのように扱っています。
一方の米国では、いまだに「もの珍しいもの」に過ぎません。
しかし、ロボット工学で世界をリードする国が、
世界の工場とレアアースの供給も管理しているとしたら…
米国はロボット工学に向き合う必要があるでしょう。
日本も技術力はあるのですから頑張って欲しいですね。
本日も
Enjoy !!